連載 一目でわかるクリニカルレシピ
動脈硬化予防のための食事
中西 修平
1
1広島赤十字・原爆病院内分泌・代謝内科部長
pp.96-99
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.10_0096-0099
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進行した動脈硬化はそれ自体の根本的な治療は困難であり、危険因子の除去による予防と危険因子に対する治療が中心となる。現在、多くの疫学的エビデンスより、脂質異常症、喫煙、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、加齢、男性、冠動脈疾患の家族歴、冠動脈疾患既往、非心原性脳梗塞、PAD (peripheral artery disease)、AAA (abdominal aortic aneurysm)、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群、そして内臓脂肪蓄積とインスリン抵抗性に基づくメタボリックシンドロームなどが動脈硬化のリスクであることが示されている。なかでもメタボリックシンドロームは過食、身体活動不足などの生活習慣の乱れにより肥満、特に内臓脂肪が蓄積し、糖代謝異常、高血圧、脂質代謝異常などが生じ、心血管疾患、脳血管疾患などの動脈硬化性疾患を起こしやすい複合病態とされている。生活習慣の改善がメタボリックシンドローム発症を予防し、心血管疾患などによる死亡を未然に防ぐことができるともいえる。
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