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わが国では1989年発売のゾニサミド以降,長らく抗てんかん薬の開発は行われておらず,カルバマゼピン,フェニトイン,バルプロ酸,フェノバルビタールといった限られた数の第一世代抗てんかん薬を組み合わせた治療が行われてきた。その後,2000年にはクロバザムが発売され,続いて,いわゆる新規抗てんかん薬と呼ばれるガバペンチン,トピラマート,ラモトリギン,レベチラセタムの4剤が相次いで上市されたことから,治療の選択肢は格段に広がった。その後も,希少疾患であるDravet症候群に対するスチリペントールやLennox-Gastaut症候群に対するルフィナミドが発売され,2016年にはペランパネル,ビガバトリン,ラコサミド,オクスカルバゼピン(2018年6月現在,未販売)が製造承認を受け,わが国においても欧米のガイドラインに沿った薬物治療を行うことができる環境が整ってきたといえる。なお,ゾニサミドは米国では2000年に,欧州では2005年にそれぞれ発売されていることから新規抗てんかん薬として分類されるが,わが国では1989年の発売である。一方,クロバザムは英国で2002年に承認され,米国で2011年に承認であるが,国際誕生は1970年であり新規抗てんかん薬とは呼ばない。薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring;TDM)が,第一世代抗てんかん薬の治療の最適化に果たした役割はいうまでもないが,新規抗てんかん薬においてTDMは必ずしも必要ではない。本稿では,各薬剤の薬物動態学的特徴について概説するとともに,抗てんかん薬のTDMの考え方について紹介する。「KEY WORDS」新規抗てんかん薬,TDM,薬物動態,治療域,参考域
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