特集 糖尿病治療薬の循環器系への作用~その光と影~
α-GI薬で心血管疾患リスクは低下するのか
金 智隆
1
1きむ循環器内科医院 院長
キーワード:
グルコーススパイク
,
急性冠症候群
,
心血管疾患一次予防
,
心血管疾患二次予防
,
臨床研究
Keyword:
グルコーススパイク
,
急性冠症候群
,
心血管疾患一次予防
,
心血管疾患二次予防
,
臨床研究
pp.33-36
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.06_0033-0036
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α-GI(α-glucosidase inhibitor)薬は文字通り,α-グルコシダーゼを阻害することにより,腸で二糖類が単糖に分解されるのを防ぎ,グルコースの吸収を緩徐にする薬剤である。α-GI薬による食後血糖の急上昇(グルコーススパイク)抑制には,グルコースの吸収遅延によるインスリン利用の効率化と通常上部小腸で吸収されるグルコースがより下部の小腸まで到達することによりGLP-1(glucagon-like peptide-1)の分泌増加(GIPの分泌抑制)が関与することが知られている。糖尿病治療薬として近年広く使われているDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬はGLP-1を分解するDPP-4を阻害することにより腸管から分泌されたGLP-1が不活性化されることを防ぐので,α-GI薬とDPP-4阻害薬の同時投与には相乗効果が期待できる。グルコーススパイクは血管内皮細胞の機能を障害することが実験的に示されている1)。「KEY WORDS」グルコーススパイク,急性冠症候群,心血管疾患一次予防,心血管疾患二次予防,臨床研究
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