特集 エビデンスを2型糖尿病臨床にどう生かせばいい?―Evidence Based MedicineをReal Worldへ
糖尿病薬物療法
α-グルコシダーゼ阻害薬
柴田 恵理子
1
,
寺内 康夫
1
Eriko SHIBATA
1
,
Yasuo TERAUCHI
1
1横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学
キーワード:
食後高血糖
,
服薬アドヒアランス
,
インクレチン
Keyword:
食後高血糖
,
服薬アドヒアランス
,
インクレチン
pp.79-80
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_79
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Summary
▪食後高血糖は空腹時高血糖とは独立した心血管イベントや死亡のリスクである1).
▪α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)は小腸からの血糖の吸収を遅延することによって食後高血糖を改善する薬剤である.インスリン分泌を増加させないため体重増加がなく,単独使用では低血糖を起こしにくい.
▪インスリン分泌能に関係なく血糖を低下させるため,1型糖尿病にも使用可能な経口糖尿病薬である.
▪最も多い副作用は下痢や腹痛,腹部膨満感などの消化器症状である.とくに腹部手術既往のある患者では,腸閉塞を起こすことがあるため注意を要する.
▪食直前内服が基本なので服薬アドヒアランスが悪い傾向があるが,内服を忘れた場合には食直後までの内服で効果が期待できる2).
© Nankodo Co., Ltd., 2018