連載 一目でわかるクリニカルレシピ
慢性腎臓病の食事療法
佐々木 環
1
1川崎医科大学腎臓・高血圧内科学 教授
pp.68-71
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.01_0068-0071
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慢性腎臓病(CKD)は、今や糖尿病と並ぶ生活習慣病として挙げられる疾患と称されています。特にそのピークは、60歳代以降の高齢者が多く男女比は大差ありません。そして、末期腎不全のため透析導入に至る第一原疾患は糖尿病性腎症であり、ついで慢性糸球休腎炎、腎硬化症と続いています。厚生労働省は、生活習慣病が原因となって透析導入となる患者の減少を目指して、昨年から重点的に生活習慣予防対策に乗り出しています。この状況を受けて慢性腎臓病の治療戦略が動き出しています。腎機能は、血清クレアチニン値から推定されます。この推算糸球体濾過量(eGFR)は、簡易的に腎機能を推算することができます。(式1)eGFR(mL/分/1.73㎡)=194×Cr-1.094×年齢‐0.287(男性) eGFR(mL/分/1.73㎡)=194×Cr-1.094×年齢‐0.287×0.739(女性) この方法(推算式)は、最近では、健診でも取り入れられ早期からの腎臓専門医による治療介入を促す指標とされています。治療は、生活習慣の改善を柱として食事療法から始め、主に薬物療法が中心で行われます。
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