特集 CKD診療のトピックス
CKDにおけるcalciprotein particles(CPP)の病的意義
秋山 健一
1
1自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部/東京女子医科大学第四内科
キーワード:
Fetuin-A
,
リン
,
カルシウム
,
FGF23
,
CKD-MBD
Keyword:
Fetuin-A
,
リン
,
カルシウム
,
FGF23
,
CKD-MBD
pp.29-33
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.01_0029-0033
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慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)患者は,透析療法が必要な末期腎不全に至る前でも,脳・心血管障害のリスクが高い。この原因としてカルシウムやリン代謝異常が関与する軟部組織の石灰化が知られている。腎機能が低下すると,骨ミネラル代謝の恒常性が破綻するが,早期ではさまざまな代償機構が作動し血中カルシウムやリン値は維持され,結果的にこれらの合併症から保護される。推算糸球体濾過値(estimated glomerular filtration rate;eGFR)が60mL/分/1.73㎡程度に低下すると,活性型ビタミンD(1,25(OH)2D3)の低下をきたし,副甲状腺ホルモン(PTH)は上昇し始める。一方,fibroblast growth factor 23(FGF23)は, これらの変化よりも早期から上昇し,尿中リン排泄率[fractional excretion of phosphorus;FEP=(尿中リン/血中リン)/(尿中クレアチニン/血中クレアチニン)×100(%)]の上昇による血中リン値の維持と,ビタミンDの活性化を抑制することが,一連の変化のトリガーになっていると考えられている1)。「KEY WORDS」Fetuin-A/リン/カルシウム/FGF23/CKD-MBD
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