Japanese
English
連載 卒後研修講座
変形性関節症に対する薬物療法の有効性と課題
-――運動療法と関連して
The effectiveness and problems of pharmacological treatment for the osteoarthritis;in relation to exercise and physiotherapy
内尾 祐司
1
Y. Uchio
1
1島根大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Shimane University, Izumo
キーワード:
osteoarthritis
,
pharmacological therapy
,
exercise
Keyword:
osteoarthritis
,
pharmacological therapy
,
exercise
pp.1311-1320
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1311
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は じ め に
日本は2007年以降,超高齢社会に突入し,現在,高齢者が全人口の28%を超え1),2050年には平均寿命は女性で90歳に,男性で84歳に達し,100歳以上の高齢者は約70万人(現在の約6倍)にのぼる1).まさに人生100年時代といえる超・超高齢社会が日本に顕現化する.日本はこれまで医学・医療の発達・発展および行政の支援によって結核やポリオならびに産業災害を克服してきた2).しかし,超高齢社会の到来は疾病構造を変化させ,現在,日本は新たな課題である運動器障害による移動機能低下―ロコモティブシンドロームに直面している2).その主たる疾患である変形性関節症(OA)は個人の日常生活のみならず,社会の経済活動や医療・福祉政策に多大な影響を与えており,その克服は日本の喫緊の課題である.本稿ではOAに対する薬物療法の有効性と課題について,運動療法と関連しながら概説する.
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