特集 乾癬の病態と治療:最新の進歩
特集にあたって
佐藤 伸一
1
1東京大学大学院医学系研究科皮膚科学教授
pp.7-7
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.09_0007-0007
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乾癬の病態の理解と治療の発展は最近10年間で特に著しい。乾癬は,臨床的に表皮細胞の著明な増殖を呈するため,当初は表皮細胞に異常がある疾患と位置付けられていた。しかし,乾癬患者由来の骨髄移植によって,乾癬がレシピエントに生じること,免疫抑制薬であるシクロスポリンが有効であることなどより,乾癬は免疫異常が中心となって生じる疾患であると現在は認識されている。これは,アトピー性皮膚炎が当初は免疫異常の疾患と位置付けられていたが,現在では表皮細胞のバリアに異常がある疾患と認識されていることと全く反対の現象である。また,乾癬は当初はTh1優位の疾患と考えられていたが,Th1から産生される主要なサイトカインであるインターフェロンγには表皮細胞を増殖させる作用はないことから,Th1優位説には欠陥があった。
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