今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
高脂血症治療の諸問題と新しい展開
低HDLコレステロール血症の治療
芳野 原
1
,
鹿住 敏
2
1東邦大学医学部臨床検査医学
2兵庫県立成人病センター内科代謝内分泌部門
pp.731-734
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903603
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ポイント
●高コレステロール血症を呈しない虚血性心疾患患者では低HDL血症を伴う場合が多く,また引き続いて心筋梗塞を発症する可能性が高い.すなわち,HDL単独低下症(iso-lated hypo-α-lipoproteinemia)は積極的に治療する必要性がある.
●HDLコレステロールを上昇せしめるには,食事療法,運動療法,さらに薬物療法が考えられるが,最も確実なものは薬物療法で,わが国においてはベザフィブレート(ベザトールSR®)が投与可能で,最も強力である.
●海外ではすでにこのような薬物療法による低HDL血症の治療によって冠動脈疾患の一次予防が成功している.
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