特集 皮膚悪性腫瘍:診療の進歩と展望
その他の主な皮膚悪性腫瘍・有棘細胞癌
寺本 由紀子
1
1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科助教
キーワード:
皮膚癌
,
有棘細胞癌
,
化学療法
Keyword:
皮膚癌
,
有棘細胞癌
,
化学療法
pp.31-34
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.06_0031-0034
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「はじめに」わが国では有棘細胞癌は皮膚癌全体のなかで16.3%を占める1)。有棘細胞癌は基底細胞癌に続き2番目に頻度の高い皮膚癌であるが,その前癌病変であるボーエン病や日光角化症を併せると最も頻度が高い。有棘細胞癌の発生数は高齢化や紫外線の影響で近年増加傾向にある。有棘細胞癌は70~80歳代をピークとして高齢者の日光露光部に好発し,50%以上が頭頸部領域に発生している(図1)。有棘細胞癌の大半が早期症例であり,これらの症例に対しては根治的切除が行われ,その結果5年生存率が80%以上と予後良好である。一方,浸潤の深い症例やリンパ節転移のある症例では根治的切除が難しい場合も多く,5年生存率は低下する。遠隔転移があるとさらに予後は不良となり,その50ヵ月生存率は10%である(図2)2)3)。治療は第1選択として手術療法が行われ,切除困難症例に対し放射線療法,化学療法が検討される。それぞれの治療方法について,これまでの変遷と現状,今後の展望を述べる。「KEY WORDS」皮膚癌,有棘細胞癌,化学療法
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