今月の主題 抗原認識と抗体産生
話題
自己免疫疾患発症と抗体変動
網野 信行
1
,
日高 洋
1
,
多田 尚人
1
,
泉由 紀子
1
Nobuyuki AMINO
1
,
Yoh HIDAKA
1
,
Hisato TADA
1
,
Yukiko IZUMI
1
1大阪大学大学院医学系研究科生体情報医学(臨床検査診断学)
キーワード:
自己免疫疾患
,
自己抗体
,
発病予測
Keyword:
自己免疫疾患
,
自己抗体
,
発病予測
pp.422-430
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904364
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1.はじめに
近年,基礎免疫学の進展には目覚ましいものがある.それに比較し実際のヒト疾患においてはまだまだ不明なことが多い.そもそも自己免疫疾患がなぜ女性に多いのかも明確でないし,自己免疫疾患の発症が具体的にどのような形で捉えることができるかも不明である.従来より血中の自己抗体存在と臨床的な自己免疫疾患とを区別して取り扱う必要性がかなり強調されてきている.また臨床レベルでの疾病の診断基準は,自己免疫病態が不可逆的な状態まで進展した比較的典型的な症例のみを把握するため作成されたものが多い.
本稿では血中自己抗体検査の変動を中心に,自己免疫疾患の概念を根底から考え直し,具体的な自己免疫疾患の増悪因子としてどのようなものが捉えられるか,またその自己免疫疾患の発症予測がどこまでできるかをまとめてみた.
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