特集 小児血管炎診療の基礎と臨床―IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群―
Ⅲ.各血管炎の病態と診療
高安動脈炎,巨細胞性動脈炎
岩田 直美
1
1あいち小児保健医療総合センター免疫・アレルギーセンター感染・免疫科
キーワード:
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
病態
,
治療
,
生物学的製剤
Keyword:
高安動脈炎
,
巨細胞性動脈炎
,
病態
,
治療
,
生物学的製剤
pp.1153-1157
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001790
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
SUMMARY
▷高安動脈炎は大動脈や肺動脈,主要分枝や肉芽腫性炎症を生じ,血管の狭窄や拡張をきたす.小児では腹部の血管が侵されることが多く,発熱に加え腹痛や高血圧は重要な初発症状である.
▷診断や経過観察のための画像検査として,造影CTや造影MRI,FDG-PETが用いられる.
▷治療はグルココルチコイドに加え,ほとんどの児で免疫抑制薬や生物学的製剤の併用が必要である.
▷巨細胞性動脈炎も大動脈と主要な分枝に炎症をきたし,外頸動脈~浅側頭動脈の頻度が高い.おもに50歳以上の高齢者に発症し,小児ではまれである.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.