私の視点
壊死性筋膜炎
杉田 和成
1
1佐賀大学医学部内科学講座皮膚科
pp.85-85
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002818
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壊死性筋膜炎は急速に進行する壊死性の軟部組織感染症である.緊急性の高い疾患であるが,初期診断で蜂窩織炎との鑑別がむずかしいこともある.判断のむずかしい症例では,試験切開を行い,筋膜の壊死を確認後,速やかにデブリードマンを行う.壊死性筋膜炎の起炎菌は化膿レンサ球菌などが知られており,これは健常者でもおこりうる.また,腸内細菌や嫌気性菌を起炎菌とするタイプでは,基礎疾患を有する患者が多い.
写真は壊死性筋膜炎の症例であるが,発症前,感染性粉瘤が背部にみられた.感染性粉瘤から炎症が筋膜に波及したと考えられた.自験例は,患者背景として基礎疾患を有していた.このように,ごくありふれた皮膚疾患をきっかけとして壊死性筋膜炎を発症する症例もある.
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