こんな時どうする!? 糖尿病患者によくみられる皮膚症状
湿疹・痒疹
寺木 祐一
1
,
末木 博彦
2
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
2昭和大学医学部皮膚科学講座
pp.302-304
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200398
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内科医からのQuestion
「10年以上前より,2型糖尿病を指摘されていた患者ですが,薬物治療はしておりません.1カ月前より,肥満改善のためのダイエット合宿に入り,急激な減量中に,項部,胸部〜背部に痒みの強い紅色の発疹が出現してきたとのことです.近くの医院でステロイド外用薬を処方されたようですが,あまり効果がないようです.どうしたらよいでしょうか」
症例
患者:35歳男性.10年以上前より,2型糖尿病あり.3年前より高血圧と脂質異常症あり.現在,降圧薬と脂質異常症の内服薬を服用中.
病歴:1カ月前より,肥満(体重:137kg)改善のためのダイエット合宿にて炭水化物制限ダイエットを施行,2週間で10kg減量した.その頃より,急に頸部,項部,肩,胸部に強い瘙痒のある紅色丘疹が出現してきた.近医でステロイドの外用薬を処方されたが,効果乏しく拡大傾向あり,当院を受診した.
現症:頸部,項部,肩,胸部に網目状に紅色丘疹および紅斑がみられる.強い瘙痒あり(図1).
検査所見:WBC 8,800/μL,RBC 561万/μL,Hb 15.7g/dL,Plt 26.8万/μL,TP 7.8g/dL,Alb 4.7mg/dL,AST 55U/L,ALT 82U/L,γ-GTP 37U/L,BUN 11mg/dL,Cr 0.73mg/dL,TC 130mg/dL,TG 75mg/dL,CRP 0.2mg/dL,FBS 166mg/dL,HA1c 9.4%,総ケトン体3,381μmol/L,アセト酢酸626μmol/L,3-H酪酸2,755μmol/L.
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