特集 アレルギー疾患―最新治療と生活からの視点
Ⅴ アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜疾患
花粉症の生活指導
岡部 公樹
1
,
杉山 晃子
1
,
岸川 禮子
1
1国立病院機構福岡病院アレルギー科
pp.140-143
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000725
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はじめに
現在,国民の約半数近くがアレルギー性鼻炎に罹患しているとされており,なかでもスギ花粉の飛散増加に伴い,小児の花粉症患者が増加してきていることが問題となっている.2019年に行われた全国的な疫学調査では,年齢層別のスギ花粉症有病率は5~9歳で30.1%,10~19歳で49.5%まで増加しており1),花粉症は小児科でも日常的に診療する疾患となっている.ハウスダストやダニなどを原因抗原とする小児の通年性アレルギー性鼻炎は,遺伝的要因の影響が大きいと考えられる.一方,花粉症は花粉の飛散数,居住区などの環境的要因も大きくかかわると考えられる.花粉症は発症すると長期にわたり症状が続くため,患者の年齢・発達に応じて継続的に指導・治療を行う必要がある.本稿では,小児・思春期の花粉症における一般的な生活指導と,最近関心が高まっている花粉皮膚炎,また気管支喘息の悪化・再発,花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)発症の予防などについて述べる.
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