特集 アレルギー疾患―最新治療と生活からの視点
Ⅱ 気管支喘息
気管支喘息の最新ガイドラインと最新治療
望月 博之
1
1東海大学医学部付属八王子病院小児科
pp.38-42
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000702
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はじめに
気管支喘息(以下,喘息)はおもに気道の慢性炎症によって引き起こされる気道狭窄により,喘鳴や呼吸困難をくり返す疾患である.難治性呼吸器疾患の代表であるが,近年の吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid:ICS),ロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist:LTRA),長時間作用性吸入β2刺激薬(long-acting β2-agonist:LABA),さらには生物学的製剤の登場で,その治療においては著しい進歩がみられる.1970~2000年頃までの調査では,小児の喘息死亡数は年間100人以上であったが,2010年以降は1桁にまで減少したことからも納得されるように,これには海外の喘息ガイドライン1)だけでなく,2000年から刊行されている日本小児アレルギー学会による「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」(以下,小児喘息ガイドライン)の普及も,大きなプラスになっていると推測される.
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