特集 トリソミーのすべて:NIPTの時代に(Down症候群,18トリソミー症候群,13トリソミー症候群)
Ⅴ.NIPTの本質を考える
どのような疾患・障がいをもっていても生き生きと暮らせる社会づくりを目指して
古庄 知己
1,2
1信州大学医学部遺伝医学教室
2信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センター
キーワード:
出生前診断
,
日本医学会出生前検査認証制度
,
非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)
,
圧倒的拡張性
,
社会づくり
Keyword:
出生前診断
,
日本医学会出生前検査認証制度
,
非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)
,
圧倒的拡張性
,
社会づくり
pp.1123-1132
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000632
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SUMMARY
▷2013年に国内導入された非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)は,無認定施設の増加を背景に2022年より新たな施設認証制度で実施されることになった.
▷出生前診断の本質は人工妊娠中絶に耐えられるか,子どもを選ぶことに耐えられるかである.
▷NIPTの本質は無侵襲な検体採取と網羅的解析技術を背景とした圧倒的拡張性である.
▷NIPTの普及が加速することで,すべての子どもを大切に育て,できるだけの医療・教育・福祉を提供するという子育て・小児医療・小児保健・教育文化を含めた社会全体への影響が危惧される.
▷出生前診断にかかわる多職種スタッフがカップル・社会に真摯に向き合えれば,「どのような疾患・障がいをもっていても生き生きと暮らせる社会づくり」は決して果たせぬ夢ではない.
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