特集 小児の治療方針
8 血液・腫瘍
小児がん患児に対する緩和医療
余谷 暢之
1
1国立成育医療研究センター総合診療部緩和ケア科
pp.500-502
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000293
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緩和ケアの視点は,「Lifeを支えること」にある.症状緩和においては,まず子どもの症状を捉えるために子どもから発せられるメッセージを大切に丁寧な観察,問診を行う.そのうえで診察と画像検査から評価を行うことが重要である.緩和ケアの視点は,「生命の危機に直面する疾患をもつ患者と家族のLifeを支えること」にある.Lifeとは「いのち」「生活」「人生」など様々な要素を含む.小児がんは,診断時から治療中,そして治癒が望めない状況にある場合まで,Lifeが脅かされる状況が続く疾患である.疾患の治療と並行してその子が抱えるつらさの評価とマネージメントを行い,これからの生活・人生を見据えたなかでその子がどのように過ごすことがその子らしいかを一緒に考えることが大切になる.本稿では,特に「症状緩和」について取り上げ概説する.
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