特集 患者と家族
精神科小児部における患児と家族
石井 葉
1
1東京大学医学部付属病院精神科小児部デイ・ケア
pp.568-573
発行日 1975年6月1日
Published Date 1975/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917261
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出口のない悩みをかかえて
私たちが毎日接しているのは‘自閉症’とか‘精神発達遅滞’とか言われる精神障害をもつ子供たち──2歳半から7歳くらいまでの,まだ家族という小さい集団の中に居て,これから社会とのかかわりが広がってゆき,その中でよりよく発達してゆく年齢にある子供たちです.
発達の遅れのために,5歳になってもしゃべれない子,排尿便が自立していない子,うまく歩けない子,ちょっとした風邪でもすぐに重い肺炎に進んでしまう子というように,この子供たちの家族は,いつまでも赤ちゃんを扱うような神経の使い方を要求されているのです.
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