特集 産婦人科の大ピンチずかん
【Ⅰ.周産期領域での大ピンチ】
6.妊娠中の卵巣囊腫茎捻転手術の大ピンチ
上谷 真生
1
,
五十嵐 敏雄
2
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
2帝京大学ちば総合医療センター産婦人科
キーワード:
妊娠
,
卵巣囊腫茎捻転
,
腹腔鏡手術
Keyword:
妊娠
,
卵巣囊腫茎捻転
,
腹腔鏡手術
pp.387-393
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001568
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要旨
妊娠中の卵巣囊腫合併は比較的頻度が高く,茎捻転の危険もあるため妊娠初期での手術が考慮されるが,妊娠黄体から胎盤へ黄体ホルモン産生主体のシフト(黄体胎盤移行,luteal-placental shift)がなされていない時期も,妊娠週数が14週以降の大きな妊娠子宮の時期も手術には配慮が必要で,大ピンチになり得る.また卵巣広汎性浮腫(MOE)や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの茎捻転では術式に配慮が必要である.妊娠初期には経腟超音波検査で卵巣や黄体を確認することが大切で,大ピンチに備えて母児への影響を最小限にして無事に出産へと導かなければならない.
ポイント
・妊娠中の卵巣囊腫茎捻転では腹腔鏡下手術や腹腔鏡補助下手術が第一選択だが,妊娠黄体の位置,黄体胎盤移行期かどうか,子宮増大による視野制限が起こる妊娠週数かどうかを考えてから手術を行う.
・ポート配置は妊娠週数に応じて変更し,臍上または剣状突起下からのアプローチを検討し,無理な腹腔鏡に固執せず開腹移行も検討する.
・MOEやOHSSや正常卵巣例では捻転解除後,極力,卵巣温存を優先し黄体損傷を避ける.
・妊娠黄体温存困難時や妊娠黄体を含む卵巣囊腫が捻転していた際には,術後に黄体補充療法を実施する.

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