特集 ホルモン補充療法ガイドライン2025年度版改訂のポイント
Ⅰ.総論
2.HRTと認知機能・気分障害
澤田 健二郎
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室
キーワード:
HRT
,
アルツハイマー病
,
うつ病
Keyword:
HRT
,
アルツハイマー病
,
うつ病
pp.859-864
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001294
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
認知機能に関しては,閉経後早期からのホルモン補充療法(HRT),特にエストロゲン製剤は認知機能の改善効果を有する可能性がある.しかしながら,臨床的に十分なエビデンスがあるとはいえず,認知機能の維持または認知症の予防を目的としたHRTは勧められない.気分障害に関しては,HRTは更年期の抑うつ気分または抑うつ症状を改善する.ただし,閉経後のうつ病女性に対するHRTの治療効果は証明されておらず,少なくとも,うつ病の治療目的でのHRTの導入は推奨されない.

Copyright © 2025, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.