特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
15 気分障害
傳田 健三
1
K. Denda
1
1北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野
キーワード:
気分障害
,
うつ病
,
思春期
Keyword:
気分障害
,
うつ病
,
思春期
pp.575-582
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000437
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思春期の気分障害の中で主に思春期うつ病の診療について解説した.まず,思春期うつ病の診断と見立てについて述べた.思春期うつ病の診断においては,構造化面接を自然な形で取り入れて,うつ症状を網羅的に聞く必要がある.また,小児・思春期のうつ病には成人のうつ病と比較して,とくに発達障害が併存しやすいことに注意すべきである.思春期うつ病の治療の基本方針は,① 確実な診断と環境要因の適切なアセスメントを行い,② 本人・家族への心理教育と環境調整を施行し,③ 軽症例にはまず精神療法を行い,④ 中等症・重症例には精神療法に加えて薬物療法を考慮する.⑤ 必要な症例には,認知行動療法や家族療法を行っていく,ことである.
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