特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(3)婦人科続編
Ⅲ.腫瘍
14.本当にHPVは子宮頸部に感染した後に排除されるの?
川名 敬
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1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野
キーワード:
ヒトパピローマウイルス(HPV)
,
HPV感染
,
子宮頸癌
,
潜伏感染
Keyword:
ヒトパピローマウイルス(HPV)
,
HPV感染
,
子宮頸癌
,
潜伏感染
pp.437-441
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000001098
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要旨
HPVのウイルス生活環や自然史を考えると,HPVが簡単に感染した人から消えてなくなるわけではない.HPVは潜伏感染という術を使って,宿主の免疫サーベイランスから逃避している.HPV感染では,排除される場合もあるが,潜伏感染状態になって子宮頸部に棲み続けることもある.ただし,潜伏しているHPVからCINや子宮頸癌が発症することはない.宿主の免疫応答によってHPVを潜伏状態まで抑え込むことが,癌への進展を阻止することになる.

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