特集 婦人科外来診療レベルアップ―病状の評価分類と治療指針―
13.閉経関連尿路生殖器症候群(GSM)の評価法と治療指針
関口 由紀
1,2
,
中村 綾子
1
,
高山 美郷
1
,
槙山 和秀
2
1女性医療クリニックLUNAネクストステージ
2横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座
キーワード:
GSM(genitourinary syndrome of menopause)
,
GSMの局所所見
,
GSMの治療
Keyword:
GSM(genitourinary syndrome of menopause)
,
GSMの局所所見
,
GSMの治療
pp.1377-1384
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000487
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
GSMはgenitourinary syndrome of menopauseの略称である.閉経による性ホルモン分泌低下によって生じる尿路生殖器の萎縮等の形態変化およびそれに伴う不快な身体症状や機能障害の総称で,従来のvulvovaginal atrophy(萎縮性腟炎)という単語に比較して,症状・病態を包括的に説明する概念とされる.GSMは慢性かつ進行性の疾患であり,中年以降の女性の約半数が罹患していると報告されている.3徴は,①陰部の乾燥感・不快感,②性交痛他のセックストラブル,③尿トラブル(頻尿・尿漏れ・再発性膀胱炎)である.外陰部所見に尿道口円形化と腟前庭の乾燥があればGSMと診断してよい.予防は外陰・腟の保湿と性交渉の継続さらに日々の骨盤底筋トレーニングである.治療は女性ホルモンおよび男性ホルモン両方のホルモン剤の局所投与だが,全身のホルモン補充療法でも治療効果がある場合が多い.またフラクショナルCO2レーザーやエルビウムYAGレーザー照射も有効である.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.