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特集 注目の実験モデル動物
スンクス(ジャコウネズミ)
Suncus murinus (house musk shrew)
松木 則夫
1
Norio Matsuki
1
1東京大学薬学部薬品作用学教室
pp.539-544
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900142
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スンクス(Suncus murinus)は食虫目トガリネズミ科ジネズミ亜科ジャコウネズミ属に属する小型哺乳動物であり,日本で名古屋大学,実験動物中央研究所(実中研),理化学研究所などが中心に実験動物化がすすめられてきている。ジャコウネズミという和名をもつが実験動物としては「スンクス」という名称が用いられている。食虫目は哺乳類の祖先と考えられており,スンクスを用いることにより,従来の齧歯目を用いた実験ではできなかった分野の生命現象の解明が進むことが期待される。スンクスに関する論文をMEDLINEで調べると,200あまりの論文が検索される。MEDLINEに収録されていない雑誌や学会報告を含めると相当数の研究報告がなされていると思われ,それらをここに網羅することは不可能である。引用文献に載せた単行本1)や総説2-4)を参照されたい。ここではわれわれの研究室で行っている「薬理学的実験におけるスンクスの有用性」を中心にスンクスがなぜ注目される動物であるかを解説する。
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