高齢の胃癌患者が内視鏡的粘膜下層剝離術（ESD）後に死亡したケースにおいて説明義務違反があったとされた事例

脳動脈瘤・胸部大動脈瘤・心筋梗塞等の既往歴があり，抗凝固薬および血小板凝固阻害薬を使用していた患者が，胃癌の存在を指摘され，内視鏡下の手術の適応があること，およびその実施方針の説明を受けて，内視鏡下の手術を受けたが，その4日後，敗血症を原因とする慢性心不全急性増悪の状態となり，死亡した．そこで，死亡した患者の遺族らが病院とその手術を行った医師に対し，手技上の過失と説明義務違反があるとして損害賠償を求めた．