特集 甲状腺疾患アップデート:明日から役立つ最新知見
Basedow病治療の新たな展開
Basedow病抗甲状腺薬治療
渡邊 奈津子
1
1伊藤病院内科
キーワード:
チアマゾール
,
プロピルチオウラシル
,
無顆粒球症
,
寛解
Keyword:
チアマゾール
,
プロピルチオウラシル
,
無顆粒球症
,
寛解
pp.601-606
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000252
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Headline
1 抗甲状腺薬(ATD)の第一選択薬はMMIである.1日初期投与量は甲状腺機能によって変更し,軽症ではMMI 15mg,重症ではMMI 15mgにKI 50mgを併用する.
2 ATDによる無顆粒球症で,顆粒球数が100/μL未満の重症例では高用量のG-CSFの使用が推奨されており(保険適用外),日本においても症例の蓄積が望まれる.
3 ATD休薬の目安は,最小維持量で6か月以上甲状腺機能が正常な場合である.最小維持量の期間が長いほど寛解率高くなる可能性からは,2年ほどの内服期間を経てからの休薬を検討する.
4 手術・放射性ヨウ素内用療法へ変更する主なタイミングは,ATDが副作用で使用できないとき,ATDで甲状腺機能の改善不十分,2年以上寛解の目途がたたないとき,2回以上再発したときであり,甲状腺腫の増大にも注意する.
5 最小用量前後で甲状腺機能が良好で患者が希望する場合には長期間のATD治療継続も選択肢である.
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