特集 甲状腺眼症
1 Basedow病と甲状腺眼症
渡邊 奈津子
1
1伊藤病院内科(東京都)
キーワード:
Graves’ disease
,
TSH受容体抗体
,
抗甲状腺薬
,
131I内用療法
,
甲状腺全摘術
,
block and replacement療法
Keyword:
Graves’ disease
,
TSH受容体抗体
,
抗甲状腺薬
,
131I内用療法
,
甲状腺全摘術
,
block and replacement療法
pp.603-610
発行日 2023年7月5日
Published Date 2023/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003182
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
甲状腺眼症(thyroid eye disease:TED)は,眼窩の自己免疫性炎症性疾患である。TEDは眼球突出,複視,眼瞼腫脹,視力低下などを引き起こしQOLを著しく低下し得るため,適切な診断と治療が必要である。TEDの治療薬として2020年に抗IGF-I受容体抗体であるteprotumumabが米国で承認され,TEDに対する薬物療法の中心であるグルココルチコイドに加え,欧米のガイドラインでこのteprotumumabをはじめとするさまざまな治療薬を,どのようにTEDの治療戦略に取り入れるべきか,議論がなされている。日本においてもteprotumumabやTSH受容体(TSH receptor:TSHR)の阻害型抗体であるK1-70TMの治験が行われ将来の承認が期待されている。これら新規薬剤を含めた至適なTEDの管理へ向けてTEDの主たる基礎疾患であるBasedow病(Graves’ disease:GD)との関係をよく理解することが必要である。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.