特集 プライマリケア医に必要な情報をまるっと整理 くすりの使い方便利帳
第6章 代謝系に作用する薬剤
[甲状腺疾患治療薬]
抗甲状腺薬
小林 佐紀子
1
1慶應義塾大学 医学部 腎臓内分泌代謝内科
pp.905-909
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_905
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
・抗甲状腺薬治療はBasedow病の主要な治療法の一つである.
・本邦で使用されている抗甲状腺薬はthiamazole(MMI)およびpropylthiouracil(PTU)である.抗甲状腺薬の副作用はほとんどが内服開始後3ヵ月以内に生じるため,内服開始後少なくとも2ヵ月間は原則2週間に1回は診察および採血(白血球数(分画含む)と肝機能検査)を行う必要がある.
・抗甲状腺薬には交差反応性があるため,軽症副作用が生じた場合はもう一方の抗甲状腺薬でも副作用が出現する可能性があることを十分説明したうえでもう一方の抗甲状腺薬に変更を考慮してもよいが,重症副作用が生じた場合はもう一方の抗甲状腺薬には変更せず,無機ヨウ素投与や根治治療(131I内用療法,手術による外科的治療)を選択する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023