発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305251
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29歳女。頸部の脹れを主訴とした。26歳時にBasedow病の診断でthiamazole(MMI)を1ヵ月間服用した。血中甲状腺ホルモンは高値で、補正Ca値は正常、Caイオンは低値、Pは正常であった。頸部エコーで甲状腺の肥大を認めた。以上より、Basedow病と診断しMMIを投与した。経過中、手足、大腿などがつる、筋症状が出現しCPK高値を認めた。MMIの副作用を疑い減量した結果、自他覚症状は改善した。その後、甲状腺機能亢進状態は持続し、1.25(OH)2D3高値、25(OH)D低値、PTH高値、Ca低値で、Basedow病にビタミンD欠乏症(それに伴う二次性副甲状腺機能亢進症)が合併したものと診断した。ビタミンDを多く含有する食物の摂取を指導し、MMIの他に1α(OH)D3及び炭酸Caを甲状腺機能、血中Ca濃度に応じて投与した。以後、25(OH)D濃度はやや増加し、PTHは正常となった。
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