特集 貧血 最新の薬物治療戦略と実践ポイント
鉄剤を使いこなす"知識"と"ノウハウ"! 妊婦で鉄剤をいかに使うか?留意点は?
杉村 基
1
1浜松医科大学 医学部産婦人科家庭医療学講座
キーワード:
Ferritins
,
血液量
,
Hemoglobins
,
消化器徴候と症状
,
鑑別診断
,
赤血球指数
,
経口投与
,
妊娠合併症-血液系
,
貧血
,
胎盤循環
,
食品中の鉄
,
鉄化合物
,
貧血-鉄欠乏性
,
服薬指導
,
妊娠期栄養生理学的現象
,
静脈内注射
,
Hepcidins
Keyword:
Blood Volume
,
Diagnosis, Differential
,
Ferritins
,
Hemoglobins
,
Injections, Intravenous
,
Signs and Symptoms, Digestive
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Pregnancy Complications, Hematologic
,
Administration, Oral
,
Anemia, Iron-Deficiency
,
Iron, Dietary
,
Erythrocyte Indices
,
Anemia
,
Placental Circulation
,
Hepcidins
,
Iron Compounds
,
Prenatal Nutritional Physiological Phenomena
pp.3143-3148
発行日 2020年9月5日
Published Date 2020/9/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020378956
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<Key Points>◎妊娠時には母体循環に加えて胎児胎盤循環が生理的に付加されるため、循環血液量の増加による希釈性の妊娠貧血を呈しやすい。◎妊娠中期以降は胎児胎盤の鉄需要の高まりのため、鉄欠乏性貧血を伴いやすい。血清フェリチン値が12~15ng/mL以下では貯蔵鉄の減少も伴っている。◎妊娠中の母体胎児の鉄利用には鉄調節ホルモンであるヘプシジンが重要な役割を演じており、妊娠産褥の各時期により経口鉄剤の吸収効率が異なる。◎妊娠9週以降でヘモグロビン値11g/dL未満および/またはヘマトクリット値33%未満でMCVが85fL未満では経口鉄剤投与を考慮する。◎経口鉄剤内服が消化器症状のため困難の場合は静注鉄剤投与を考慮するが、過剰鉄投与を回避するため、血清フェリチン値を指標として投与する。
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