特集 日常診療で遭遇する睡眠-覚醒障害
日常診療で遭遇する睡眠-覚醒障害の診断と治療 夜型生活と睡眠負債(社会的ジェットラグ)を解消するための睡眠術
北村 真吾
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部臨床病態生理研究室
キーワード:
サーカディアンリズム
,
睡眠
,
断眠
,
時差症候群
Keyword:
Jet Lag Syndrome
,
Sleep Deprivation
,
Sleep
,
Circadian Rhythm
pp.1583-1587
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021114915
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<Headline>1 ヒト生物時計は24時間よりやや長い周期をもち、光による同調を必要とするが、夜間の人工照明が普及した現代社会においては夜型化しやすい傾向をもつ。2 入眠のタイミングは生物時計の概日リズム位相によって強く規定されるため、夜型化した概日リズム位相では入眠を早めることは困難であるが、強制的な覚醒は可能であるため、平日には継続的な睡眠不足状態である睡眠負債が経験される。3 平日に蓄積した睡眠負債は休日の長寝により解消が図られるが、同調に重要な朝の光曝露の機会が失われることで夜型が促進され、平日の睡眠スケジュールとの時差が生じ、社会的ジェットラグに陥る。4 睡眠負債や社会的ジェットラグの解消には、睡眠や概日リズムに対する理解に基づいた、普段からの睡眠機会の確保や概日リズム同調の維持が求められる。
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