特集 最新の高血圧診療:「高血圧治療ガイドライン2019」後の展開
高血圧治療ガイドライン2019で変わる高血圧診療 高血圧関連の大規模臨床試験
鷹見 洋一
1
,
樂木 宏実
1大阪大学 大学院医学系研究科老年・総合内科
キーワード:
血圧
,
降圧剤
,
高血圧
,
認知症
,
糖尿病-2型
,
脳血管障害
,
多施設共同研究
,
年齢因子
,
ランダム化比較試験
,
認知機能低下
Keyword:
Blood Pressure
,
Multicenter Studies as Topic
,
Hypertension
,
Dementia
,
Cerebrovascular Disorders
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Age Factors
,
Antihypertensive Agents
,
Cognitive Dysfunction
pp.427-434
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020230218
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<Headline>1 2019年の高血圧治療ガイドライン(JSH2019)では、欧米の高血圧ガイドラインと同様に降圧目標の厳格化が図られた。2 最近のRCTのなかでも、2015年に発表されたSPRINT研究やそのサブ解析がJSH2019における降圧目標の厳格化の方向性に最も寄与しているが、糖尿病の合併や脳卒中の既往のある患者を除外していることや血圧測定法が異なることなど、解釈に留意する点がある。3 SPRINT MIND研究では、高齢者高血圧における厳格降圧によりMCI発症を抑制する可能性が示された。4 脳血管障害慢性期における高血圧の最近のRCTとしてSPS3やPRoFESS、糖尿病合併高血圧の最近のRCTとしてACCORD BPやJ-DOIT3などがあり、ガイドライン作成時の参考として重要なエビデンスとして採用されている。5 75歳以上の高齢者高血圧に関連するRCTは限られており、さらなるRCTの積み重ねが望まれる。
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