特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(1)婦人科編
女性 ヒトに月経があるのはなぜ?
百枝 幹雄
1
1母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
キーワード:
エネルギー代謝
,
月経
,
生物進化
,
胎児
,
胎盤
,
脱落膜
,
哺乳類
Keyword:
Biological Evolution
,
Fetus
,
Energy Metabolism
,
Mammals
,
Menstruation
,
Placenta
,
Decidua
pp.1033-1038
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022353382
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月経はすべての動物に普遍的にあるものではなく、ヒトを含む進化した霊長類と若干の種にだけみられる生理現象である。それはヒトの生殖にとって必須のものであり、その意義を一言でいえば、「ヒトの進化に伴って脳が発達して胎児のエネルギー需要が増大し、それに対応すべく父方の遺伝子に制御された血絨毛胎盤に対して母体の遺伝子によって子宮を防御するために生まれたメカニズム」ともいえる。本稿では、進化生物学的な観点から、月経の意義について解説する。
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