糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
糸球体疾患の診断と病態生理 糸球体構造の理解 比較解剖からの知見
市村 浩一郎
1
,
坂井 建雄
1順天堂大学 解剖学・生体構造科学講座
キーワード:
比較解剖学
,
腎糸球体
,
生物進化
,
脊椎動物
,
器官形成
,
哺乳類
,
無脊椎動物
,
ストレスファイバー
,
Bowman嚢
Keyword:
Anatomy, Comparative
,
Biological Evolution
,
Invertebrates
,
Mammals
,
Kidney Glomerulus
,
Vertebrates
,
Stress Fibers
,
Organogenesis
,
Bowman Capsule
pp.11-14
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250356
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多くの無脊椎動物では、体腔壁の中皮細胞を足細胞化し、原尿産生装置を形成する。脊椎動物の中腎および後腎では、腎内にBowman嚢と呼ばれる微小体腔嚢を形成し、さらには毛細血管毬とBowman嚢を合体させることで、濾過の表面積を拡大した。哺乳類や鳥類では、体循環と肺循環が分離し、血圧(糸球体内圧)が他の動物群に比べて著しく高くなり、これに伴い糸球体濾過量も著しく増加した。哺乳類や鳥類では、高い糸球体内圧から糸球体壁を保護するための安全装置(メサンギウム細胞のストレス線維と足突起のアクチン束)が発達している。
©Nankodo Co., Ltd., 2010