特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(1)婦人科編
婦人科 子宮内膜症で前置胎盤が多いのはなぜ?
藤井 達也
1
,
甲賀 かをり
1東京大学 大学院医学系研究科生殖発達加齢医学専攻産婦人科学講座
キーワード:
Progesterone
,
遺伝子発現調節
,
子宮内膜症
,
蠕動
,
前置胎盤
,
脱落膜
,
着床
Keyword:
Gene Expression Regulation
,
Endometriosis
,
Placenta Previa
,
Embryo Implantation
,
Progesterone
,
Peristalsis
,
Decidua
pp.1078-1081
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022353388
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子宮内膜症は子宮内外を含めた骨盤内に広く影響を及ぼす慢性炎症疾患であり、生殖可能年齢の女性に好発して不妊症の原因となるのみではなく、前置胎盤をはじめとした周産期合併症の発症にも関与していることが知られるようになってきた。子宮内膜症の中でも深部子宮内膜症病変の存在が前置胎盤の発症と深くかかわっており、その機序としては現在のところ子宮内膜蠕動運動の異常や、子宮脱落膜におけるプロゲステロン受容体の発現変化に伴う着床障害が考えられている。
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