特集 HPVワクチンのこれまでとこれから-国際的評価を踏まえた課題-
日本の動向と今後の課題 HPVワクチン有効性のエビデンス 全国自治体症例対照研究(J-Study)
池田 さやか
1
,
上田 豊
,
祖父江 友孝
1国立がん研究センターがん対策研究所 予防検診政策研究部
キーワード:
子宮頸部腫瘍
,
集団検診
,
腟スメア
,
扁平上皮癌
,
予防接種
,
ロジスティックモデル
,
症例対照研究
,
子宮頸部上皮内腫瘍
,
パピローマウイルスワクチン
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Mass Screening
,
Case-Control Studies
,
Vaccination
,
Vaginal Smears
,
Uterine Cervical Neoplasms
,
Logistic Models
,
Cervical Intraepithelial Neoplasia
,
Papillomavirus Vaccines
pp.629-633
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022222707
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本研究は、日本人女性の子宮頸部細胞診異常、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対するHPVワクチンの有効性を評価することを目的とした。子宮頸がん検診受診者内症例対照研究とし、2013年4月~2017年3月までの間に子宮頸がん検診を受けた2000~2007年度生まれの20~24歳の女性を対象とした。「対照(細胞診正常)」に対する細胞診異常、CIN1+、CIN2+、およびCIN3+のオッズ比は、それぞれ0.42(95%CI:0.34-0.50)、0.42(95%CI:0.31-0.58)、0.25(95%CI:0.12-0.54)、および0.19(95%CI:0.03-1.15)であり、細胞診異常、CIN1+、CIN2+において統計学的有意差を認めた。なお、扁平上皮癌(SCC)の8例は、いずれもワクチン接種がなかった。日本での全国的な症例対照研究において、子宮頸部細胞診異常、CINに対するHPVワクチンの予防効果が示された。
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