臨床経験
当院における術前診断CIN3に対する子宮頸部円錐切除術後の細胞診による管理
大沼 利通
1
,
田嶋 公久
,
佐藤 久美子
,
服部 克成
,
辻 隆博
,
吉田 好雄
1福井赤十字病院 産婦人科
キーワード:
再手術
,
子宮頸部腫瘍
,
腫瘍再発
,
腟スメア
,
円錐切除術
,
子宮頸部上皮内腫瘍
,
腫瘍-残遺
,
後向き研究
Keyword:
Uterine Cervical Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Reoperation
,
Retrospective Studies
,
Vaginal Smears
,
Neoplasm, Residual
,
Cervical Intraepithelial Neoplasia
,
Conization
pp.101-106
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016221204
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2005年2月~2014年7月の間に子宮頸癌の術前にコルポスコープ下生検により子宮頸部上皮内腫瘍(CIN 3)とされた症例に対して円錐切除術を施行した。今回、術後に子宮頸部細胞診で経過観察を行った142例について後方視的に検討した。その結果、1)142例のうち、19%にあたる27例(平均年齢35.5歳)に術後管理中に細胞診異常が認められたが、115例(36.2歳)では術後に細胞診異常は認めなかった。2)異常発現なし群ではCIN 3は95例、CIN 2は5例、CIN 1は8例で、異常発現あり群ではCIN 3は23例、CIN 2は1例であった。3)組織学的な再発は細胞診異常あり群の22.2%と、約5分の1の症例で認められた。また、細胞診異常発現は術後1年半以内と術後2年半から4年に多かったが、術後4年以降でも十分な注意が必要であると示唆された。4)細胞異常発現が認められた27例中9例(平均年齢38.4歳)で再手術が行われた。再円錐切除術は5例、子宮摘出術は4例で、術後の組織診ではCIN 3は5例、異型性なしは3例、異型性進行度判断困難は1例であった。以上より、再発の早期発見にはCIN 3円錐除去後の子宮頸部細胞診を用いた適切な経過観察方法の確立が望まれると考えられた。
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