特集 帝王切開-明日からできる工夫と留意点-
総論-工夫と留意点 3.創傷治癒、癒着の防止の観点から
谷垣 伸治
1
,
竹森 聖
,
小林 陽一
1杏林大学医学部産科婦人科学教室
キーワード:
危険因子
,
術後合併症
,
創傷治癒
,
帝王切開術
,
癒着
Keyword:
Wound Healing
,
Tissue Adhesions
,
Cesarean Section
,
Postoperative Complications
,
Risk Factors
pp.1171-1176
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021341138
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帝王切開をくり返すにつれ、癒着の頻度が増加し、皮切から児娩出までの時間が延長する。癒着は、慢性骨盤痛やイレウス、不妊の原因にもなることから、その防止は産科医の責務である。癒着形成の誘因は、フィブリンマトリクス構築と溶解活性のバランスの崩壊であり、創傷治癒と表裏一体である。組織修復の過程ごとに、様々な癒着防止法が試みられているが、日常から癒着の誘因を減らすよう努める。帝王切開は、最も頻回に行われる機能温存手術であると意識したい。
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