飛沫・エアロゾル・空気 空気を介した感染の予防
■エアロゾル感染❶エアロゾル感染の概念
加藤 英明
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター感染制御部 准教授
pp.109-115
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000623
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2020年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおいて,当初,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は,「飛沫感染」するとされていた。しかし,実際には2m以内で直接対面していない同室者や密室空間に感染が拡大した。飛沫感染という考え方は1900年ごろに成立した考え方である。目にみえる大きさの粒子が飛行・落下し,そこで培養検査が陽性になるという細菌感染症を想定したもので,この時代はウイルスもまだ発見されておらず,科学的に十分検証されたものではなかった。結核感染の観察からは空気感染の枠組みが確立してきたが,飛沫とはまったく異なる分類にされてしまった。人体から発生したバイオエアロゾルは飛沫から空気感染に連続的に変化していく,というエアロゾルの本質が見直される機会がないまま2020年のCOVID-19パンデミックを迎えた。その後,多くのウイルス感染症の集団発生を経て多くの知見が集積し,バイオエアロゾルは「空気を介した感染」としてまとめられようとしている。

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