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■MRSA感染対策の重点領域❷ICUにおけるMRSA対策
板津 良
1
1愛知医科大学看護学部 講師
pp.318-323
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000591
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集中治療室(ICU)の患者は,重篤な病態に加え,糖尿病や腎不全,肝硬変など多彩な基礎疾患を有していることが多い。さらに,中心静脈カテーテルや人工呼吸器,膀胱留置カテーテルなどの侵襲的デバイスが使用され,それらが多いほど感染の機会は増す。日本の入院患者におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症では,人工呼吸器関連肺炎を含む肺炎が35.5%と最も多く,次いで菌血症24.3%,皮膚軟部組織感染15.3%が報告されている。これらは重症患者が集まるICUでしばしば問題となり,治療を難渋させる要因となる。

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