Special feature 知識を整理する手指衛生最新版
■手指衛生の実際❹手指衛生における新たな試み―オゾン水を用いた手洗いの最前線
仲村 究
1
1岩手医科大学医学部臨床検査医学・感染症学講座 教授
pp.154-160
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000551
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近年,オゾン水による手指衛生への有効性について国内外から報告がされている。筆者らもASTM Internationalのプロトコールに従い,2種類の手洗い試験をこれまで実施した。それらの結果は,4.0 ppmのオゾン水による手洗いは抗菌石鹸と流水による手洗いと遜色なく細菌除去が可能なこと,有機物が存在する場合でも十分な細菌除去効果があること,であった。また,オゾン水の皮膚組織に対する刺激性についても検討しており,皮膚ケラチノサイトへの細胞障害性が存在しないことを示した。さらに,2019年下旬に発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けて,オゾン水のSARS-CoV-2への不活化作用の検討を行った。その結果,手洗いに使用可能な4.0 ppmオゾン水に明らかな抗ウイルス効果があることが判明した。本稿では,オゾン水を用いたそれらの知見を示しながら,現状の課題や今後期待される事項について述べる。

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