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院内感染予防とオゾン水
赤堀 幸男
1
,
村上 篤司
1
,
北川 敏
2
,
岡本 晃愷
2
,
星 昭二
2
,
森 啓
2
,
鈴木 正夫
3
1静岡県立大学薬学部
2静岡済生会総合病院
3(株)コアコーポレーション
キーワード:
院内感染
,
オゾン水
,
MRSA
Keyword:
院内感染
,
オゾン水
,
MRSA
pp.793-794
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901609
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- 文献概要
医療を"患者の疾病障害を治癒軽減する"ための行為と定義するならば,医療の場で新たな感染症に罹患する院内感染などは,絶対に起きてはならないものである.しかし近年,院内感染が医療現場で重要な問題となっている.なかでもMRSAによる院内感染は,治療が困難であり患者の生命にかかわるため,早急に解決しなければならない.各種疾病の患者と接する医療従事者は業務上,これらから感染する危険性も高いため,院内感染は患者のみならず,各種医療従事者にとっても重要な問題である.院内感染の防止には患部の完全な殺菌消毒などの治療面はもちろん,医療現場環境の向上が必要である.特に,患者関係者および医療従事者の手指洗浄消毒とその普及は,環境面での第一段階であり,必要不可欠な手法である.
病院内の最も完全な手指消毒は,手術関係者によるものであろう.各種殺菌消毒剤が使用され,通常10分程度以上の時間を要して行われているが,寸刻を争う緊急時の手術にはきわめて不都合であるうえ,時間を短縮した場合には消毒不良による感染などが懸念される.院内感染予防のため,手術関係者以外にこのような完全消毒を強いることは,時間的負担など各種状況から不可能であろう.院内感染予防の手指消毒は頻繁に行われるべきであって,このためには短時間で完全な手指消毒が可能な消毒殺菌法でなくてはならないし,皮膚刺激など人体への影響,一般環境への影響も考慮しなければならない.
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