Special feature 新型コロナを経て見直す 隔離予防策—手指衛生と接触予防策
■原因菌不明時の先制的な感染対策
加藤 英明
1
1横浜市立大学附属病院感染制御部 部長・講師
pp.167-170
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000481
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感染症領域では経験的(empiric),先制的(preemptive)という単語が使用される。抗菌薬における経験的治療(empiric therapy)とは,患者背景,感染臓器から病原体を予測して治療を開始することであり,さらに一部の免疫不全者に対してはバイオマーカーを治療開始の判断に加える先制攻撃的治療(preemptive therapy)という治療戦略が選択されることがある。具体的には,造血幹細胞移植後の患者におけるサイトメガロウイルス感染症,肺アスペルギルス症に対しては臨床的な経過に検査所見を加味して治療開始を判断する先制攻撃的治療のプラクティスが広く受け入れられている。
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