Special feature 施設・場面など特性に合わせた感染対策の工夫
❾『個人防護具適正使用習得者認定制度』の構築と活用
一ノ瀬 直樹
1
1公立昭和病院感染管理部感染管理室 担当室長/院内感染管理者
pp.130-134
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000388
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感染症から患者や医療従事者を守り,そして院内感染を防止するためには,適切な個人防護具の使用と手指衛生が重要となる。しかし,医療従事者による個人防護具の不適切な脱衣による自己汚染が,感染の最大のリスクともなり得る。特につなぎ服は脱ぐのが難しく,より汚染しやすいことが知られている。また,個々の医療従事者の独自の着脱方法よりも米国疾病予防管理センター(CDC)の推奨する手順での着脱は汚染が少ないことが報告されており,標準化された手順を遵守することが重要であることが示されている。さらに,積極的にトレーニングを行うことで手順の遵守率が高くなることが報告されている。したがって,個人防護具のなかでも特に通常使用する機会の少ないガウン,N95マスク,ゴーグルに関しては,適切な手順と取り扱い方法の学習と実際の着脱トレーニングが重要であると言える。2020年,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的流行を経験し,その必要性を誰しもが実感した。次なる新興感染症の発生・蔓延に備えて日常からの準備が求められる。
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