Special feature 国内・海外のガイドラインから読み解く 手術部位感染(SSI)対策の正解
■Update 1
SSI対策とガイドラインの最新レビュー
-―国内・海外のガイドラインを読み解く
針原 康
1
1NTT東日本関東病院 副院長/外科部長
pp.267-272
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000072
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はじめに
手術部位感染(SSI)が発症すると,入院期間が延長し,医療費が増加するとともに,患者の手術治療に対する満足度が著しく低下することになる。SSIを減少させるために,日本の外科医と手術に関与するスタッフは努力を続けている。
米国疾病管理予防センター(CDC)が1999年に発表したSSI防止のためのガイドライン以降,SSIに関する様々なガイドラインが発表されてきた。特に2016年11月~2017年5月にかけては,世界保健機関(WHO),米国外科学会/米国外科感染症学会(ACS/SIS),CDC(改訂版)のガイドラインと次々に発表された。また,本邦のガイドラインもいくつも発表されている。
ガイドラインはいずれもエビデンスを重視して推奨内容が決められるとされているが,発表されたガイドラインを比較検討してみると,扱っている項目については大きな違いはないが,その推奨内容は必ずしも同じではない。
本稿では,ガイドラインの推奨内容の違いやその問題点に関して概説する。
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