Special feature 何が同じで,どこが違う? 現場向けESBL産生菌・CRE(CPE)対策
■Coping skill 現場別 ESBL産生菌・CRE(CPE)対策の実践―両耐性菌の共通点・相違点を踏まえて
❹消化器外科
畑 啓昭
1,2
,
大倉 啓輔
1
1独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 外科
2独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 感染制御部
pp.220-225
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000058
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はじめに
消化器外科では,周術期の患者がAntimicrobial Resistance(AMR)対策の基本的な対象となる。手術は準清潔手術に分類されるものが多く,ほぼ全例で予防抗菌薬が投与されるため,細菌叢への影響が避けられない。また,肝胆膵疾患の術前には,胆管炎や膵炎などの感染症を治療しながら手術を迎えることも多い。術後には,ドレーンが留置されている場合が多く,周囲環境を汚染するリスクは高い。ひとたび縫合不全などの合併症が起きると,緊急での検査・出棟,膿瘍のドレナージやドレーンの交換処置,胃瘻・腸瘻チューブの管理,日々のガーゼ交換など,感染対策上注意すべきことが一気に増える。本稿では,このような消化器外科の患者から,Extended-Spectrum β-Lactamase(ESBL)産生菌やCarbapenem-Resistant Enterobacteriaceae(CRE)が検出されないように,あるいは検出された場合でも伝播させることがないように注意すべき点をまとめる。
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