MT Seminar―読んで、見て、深める臨床検査技師のための誌上講義
Dダイマー高値の原因は何が考えられるか
雨宮 憲彦
1
1山梨大学医学部附属病院 検査部
pp.727-731
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt53070727
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要点
☑Dダイマーは,フィブリン血栓がプラスミンにより溶解された分解産物の一つである.Dダイマーを測定することにより,体内で血栓が形成されている(または形成された)可能性の有無を知ることができる.
☑Dダイマー測定は免疫学測定法であるため,まれに非特異反応の影響により病態に関係なく予想外な偽高値を呈することがあるため注意する.
☑Dダイマー測定は二次線溶を反映する重要な検査である.しかし,DICを診断する場合,線溶抑制型(二次線溶優位)から線溶亢進型(一次線溶優位)まで病態もさまざまであり,凝固検査はもとより他の凝固線溶系マーカー(特にFDPやPICなど)も測定することが望ましい.

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