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内容のポイント Q&A
Q1 「お楽しみ程度の経口摂取」の定義は?
「誤嚥リスクを医学的に管理したうえで,嚥下機能の改善ではなく,患者の満足感や生活の質(QOL)を尊重して行われる少量の経口摂取」である.能力を評価する摂食嚥下障害のグレード4に相当する.グレード3,4のいずれも少量の経口摂取(FOIS 2)に相当するが,グレード4は嚥下機能の改善を目的としているグレード3とは異なり,QOLを重視している.海外の評価尺度では,両者は区別されない.
Q2 「お楽しみ程度の経口摂取」の診断・判定方法の実際は
グレードの評価には,嚥下造影や嚥下内視鏡による嚥下の能力評価が必要である.代償法を駆使して得られるbest swallowと,誤嚥リスクの高いworst swallowを区別する.グレード3と4のいずれもbest swallowは存在するが,お楽しみ程度の経口摂取であるグレード4はworst swallowはほとんどなく,主な担い手は家族や非専門家である.グレード3はworst swallowの頻度が高く,ST等の専門職による医学的管理下で嚥下機能改善または安全性確認を目的として行われる.
Q3 「お楽しみ程度の経口摂取」の頻度・疫学・年齢との関係は?
全国的な疫学調査はないが,対象疾患や施設特性により異なると考えられる.浜松市リハビリテーション病院において,825名の嚥下障害患者(平均年齢77.1±14.5歳)を対象とした検討では,退院時にお楽しみ程度の経口摂取に該当した症例は約5%であった.
Q4 「お楽しみ程度の経口摂取」の再評価のあり方は?
臨床経過の問診,摂食場面の観察,採血や画像のフォローアップ等を行いながら,摂食条件の変更の必要性の有無等の臨床判断を行う.栄養管理や全身のリハビリテーションによって嚥下機能が徐々に改善し,摂食条件を緩和したり摂食量が増加したりすることがある.一方で,神経変性疾患等では病状の進行に伴って摂食条件の調整が必要となることも多いが,経口摂取は困難であろうと決めつけず,医学的な評価や臨床観察を行うことが重要である.
Q5 「お楽しみ程度の経口摂取」は予後に影響するか?
明確なエビデンスはないが,予後に影響し得る.経口摂取の継続により口腔ケアや口腔内の観察がなされ,歯科との連携や口腔環境の改善につながる.経口摂取の継続により,咽頭はかえって清潔に保たれ,誤嚥性肺炎のリスクを軽減できる.栄養管理や全身リハビリテーションにより嚥下機能も改善し得る.食道期にもよい影響がある.

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