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内容のポイント Q&A
Q1 がん患者の復職の現状は?
治療のため仕事を続けながら通院するがん患者が増加しており,治療と仕事の両立支援が重要である.2018(平成30)年度患者体験調査では,がん診断時の就労者は約4割で,うち約2割が診断後に退職していた.がんと診断され精神的動揺や不安から慌てて退職を選択する「びっくり離職」に留意が必要である.就労者の約5割は復職していたが,フルタイムの復職には長期間を要するという報告もあり,柔軟な勤務制度の導入が求められている.
Q2 制度上の課題や対応は?
がん対策推進基本計画において,がん患者に対する就労支援はサバイバーシップ支援の一環として重点課題の1つに位置付けられている.がん対策基本法等の法的整備を背景として,医療機関等における就労支援の体制構築が進められている.全国のがん診療連携拠点病院や地域がん診療病院等に設置されているがん相談支援センターが就労支援の相談窓口であり,院内外の患者の相談対応を行っている.
Q3 注意すべき就業上の配慮は?
がん患者は,目に見えない部分での機能障害や外見の変化に加え,倦怠感等の周囲にわかりにくい後遺症や副作用に悩んでおり,仕事関係者の理解を必要としている.がん関連機能障害を適切に評価し,機能障害の特徴を踏まえた就業上の個別対応が得られるよう支援することが大切である.厚生労働省より企業・医療機関連携マニュアルが公開されており,がん患者における両立支援の具体的な事例を通じて,意見書の記載例が示されている.
Q4 両立の限界と工夫は?
がん患者の経済毒性は,高額な薬剤の登場や,治療が長期にわたる中で問題が深刻化しており,収入と純資産の減少を防ぐためにも就労支援が重要である.造血幹細胞移植後や小児・AYA世代のがん体験者は復職率が低くなること,就労未経験の割合が高くなることが指摘されている.晩期障害を適切に評価しリハビリテーション治療を提供すること,活用できる資源や制度について情報提供し必要な支援へつなぐことが重要である.

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